鈴の音の鳴るクリスマス・イブ
大多数の人とかぶる(笑)クリスマスネタです。
なんかメチャ短いです(^^;
12月24日・・・。
世間では「クリスマス・イブ」と呼ばれ、皆が遊びまくりプレゼントを交換する日である(※注:偏見です)
ここにも例外なくイベントに乗じて遊びまわっている4人が居た。
折角のイベントということで、宗介、かなめ、恭子、風間の4人は街で買い物等を楽しんでいるのである。
「何きょろきょろしてんのよ。」
「人ごみではいつもより周りに気を配るものだ。いつテロリストに襲われるか分からん。」
「そんなことあるわけないでしょ!」
かなめが呆れ顔で宗介に怒鳴る。
「でも、こういうイベントの時はテロが起こりやすいって言うよね。」
「そ、そういう不吉な事はあんまり言わないほうがいいと思うよ。」
宗介と一緒に物騒な事を言う風間に恭子が注意をしていた。
「で、次はどこに行く?」
「う〜ん、買い物も済んだし・・・そろそろカナちゃん家に行こっか。」
「んっふっふ・・・料理の準備はカンペキよ。あとは暖めるだけ、キョーコも手伝ってね。」
「うん。」
かなめの家への帰り道で風間が宗介に聞いてくる。
「千鳥さんって料理上手なんだよね?」
「うむ、肯定だ。あそこまでのレベルの食事はなかなか味わえる物ではない。」
「へぇ〜。あれ?こんな所に教会なんてあったっけ?」
「ホントだ・・・こっちの方はあんまり来ないからねぇ。結構大きい建物だね。」
恭子が感心した様子でつぶやく。
「ここに何か書いてあるぞ。」
教会前の看板を指差しながら宗介がつぶやく。
内容は”PM5時に鐘が鳴る”というようなものである。
時計に目を落とすと、現在の時間は1659。
次の瞬間、大きな鐘の音が鳴り響いた。
「うわぁ〜、凄いわねぇ・・・あ、そうだ!」
「千鳥、いったいどうした?」
「はい、クリスマスプレゼント。」
そういってかなめは綺麗に包装されたプレゼントを差し出す。
中身は手編みの手袋だった。
『むぅ、これでは銃の操作が・・・』
という言葉を飲みこんで、
「うむ、感謝する。」
その横では恭子が風間にマフラーを巻いてあげていた。
「はい、あたしから。」
「あ、ありがとう。僕からはこれを・・・安物・・・だけどね」
顔を真っ赤にした風間がリボンを差し出す。
「・・・ありがと・・・」
「ヘヘッ・・・メリー・クリスマス」
初々しい二人の横で、突然宗介が、
「クルツから聞いて俺もプレゼントを用意しておいた。」
手袋をつけた宗介が、懐から綺麗に包装されたプレゼントを取り出す。
「ありがと・・・って、なにこれ?」
「スタンガンだ。あまり電圧は高くないが、効果は十分にある。」
「いつ使うのよ、こんなもん!・・・まぁ、いいわ。」
そのとき、ふいに冷たい物が4人の頬に当たる。
「雪か・・・寒いわけだ。」
風間がつぶやく。
「そろそろ行こっか、早くしないとミズキが来ちゃう。」
「うん、そうだね。」
日が落ちた教会の前の道。
帰り道を急ぐ4人を、消え行く鐘の音と降り積もる雪がやさしく見送っていた。